さかなの呟き。

自称ギーク(文系)のブログ

【イヤホン】音質を求めてイヤーピース沼にはまるも、結局Final E TYPEに落ち着いた話

 最近、何度もイヤーピースを交換して音質を最適化しようと色々試しましたが、結局FinalのE TYPEに落ち着きました。落ち着くまでの過程が、イヤホン・イヤーピース選びに迷っている人全般に役立ちそうだと思い、記事にしてみることにしました。どうぞ最後までお付き合いください。(ZE3000のレビューも含みます)

Final ZE3000の話

 Finalが「線のない無線イヤホン」と謳う名機ZE3000、2000。数ヶ月前に3000の方を購入し、非常に満足していたのですが、ずっと聴いているとやはり気になるのは低音のぼわつきでした。低中音から低音にかけての量感がかなり多めで、曲によっては音のレスポンスがよろしくないようにも感じていました(今は全くそう思っていませんが)。

試したイヤーピースの全て

 そこで、最初に試したのはMoondrop(水月雨)の清泉です。

清泉イヤーピース。

 Aria snow editionを購入した際に付属していたイヤーピースですが、清泉単体でも購入できます。

 中高音の伸びが良いと噂を聞いていましたが、正直自分はあまり感じられませんでした。むしろ、全体の解像感が落ちる印象で、明らかに純正のTYPE Eのほうが良いと感じました。相性が悪かっただけかもしれません。

 次に試したのは、JVCスパイラルドット(無印)です。全体が引き締まり、高音がシャキっとする感じで、第一印象はとても良かったです。
 しかし長時間使用すると、装着感があまり良くないのと、全体の音のまとまりがあまりなく、不自然な音の鳴り方になっていることに気が付き、こちらも使用を断念しました。
 ただ、かまぼこタイプのイヤホンに合うかと思います。音質をがっつり変えたい人におすすめできるイヤーピースです。コスパも良いですよ。(ZE3000には合わなかったけど)
 

 最後に試したのはAcoustuneのAET07です。現在は後継モデルのAEX07が出ています。(形状の最適化やXSサイズの追加がなされました。音質に変化はないとのこと)

 試したイヤーピースの中では一番自然な変化で、イヤホンの特性を捻じ曲げず、全体を整えてくれる感じでした。高級イヤホンを使っている人は、このイヤーピースを使えば真価を発揮させられるかもしれません。(高級イヤホンは殆どの場合良いイヤーピースを積んでるので、変えないほうが良いかもしれませんが。)ただし、このイヤーピースも、器用貧乏な音で驚くほどに面白みのない音が完成してしまったので、ここで僕のイヤーピース沼は終わりを迎えました。

【本題】E TYPEはすごい!!!

 どのイヤーピースもイヤホンの元の音との相性が悪かったり、明らかにまとまりのない音になったりして微妙でした。変化は楽しめますが、結局オーディオは長期的な評価なので、粗に気づいてしまいます。
 そこで、元のイヤーピース、つまりFinal純正のTYPE Eに戻したところ、感動しました。確かに最初の「中音~低音が分厚い」という印象は変わりませんが、非常にナチュナルな鳴り方で、どの音域にも抜け目がありません。ここで、ZE3000とTYPE Eのすごいポイントを箇条書きでまとめます。

  • 高音の主張がちょうど良く、伸びやかで刺さらない
  • 低音が深く広がり、くどくもない
  • ボーカルが生の音で、音抜けも良い
  • 全体的にまろやかな音なのに、どの音域も埋もれていないので、疲れない聴き心地で解像度も高い
  • まろやかな音なのに、テンポが速い曲でもしっかり付いてきてくれるレスポンスの良さ
  • サイズが5種類と豊富で、自分に完璧に合ったサイズを選べる(意外と今でも3サイズしか同封しないイヤーピースも多いです)
  • 装着感抜群で、市場に出回っている商品の中ではトップ
  • オールジャンルで活躍できて、不得意はない(どの音域も埋もれていないので、器用貧乏でもない)

イヤーピースの特性ともイヤホンの特性ともつかない微妙なものもありますが、Finalって本当に技術力のある会社なのだなとつくづく感服しています。

まとめ

 今回の経験で分かったことは、イヤホンの特性がクール系の音とウォーム系の音のどちらであるかは、解像度や情報量の多さに貢献しないということです。一聴するとウォーム系の方が、解像度で負けているように感じますが、耳慣れ(エイジング)すると関係なくなると考えています。さらに、ウォーム系はホールの雰囲気・空気感を再現するのが非常に得意なので、その点ではむしろ、ウォーム系の方が情報量が多いとも言えます。

 また、特定の周波数帯のクオリティも大切ですが、全体としての音のまとまりや滑らかさの方が大切であると感じました。特定の周波数帯の音を重視したり目立たせようとすると、バランスが破綻して必ずどこかの音域が埋もれますし、聴き疲れしやすく飽きやすい音になってしまいます。例えば、高音を持ち上げると擬似的に解像度は高くなりますが、耳が疲れますしバランスが悪いです。「高音が足りない」であるとか、「ボーカルが伸びてこないなあ」という不満は、その音域に問題があるというよりかは、その音域前後の音が不満のある音域の邪魔をしているのだと思います。これは、イコライザの「目的の(もっと聴かせたい)音域を上げるよりも、必要ない音をカットする」という基礎の考え方にも回帰します。

 イヤーピースで言えば、高級なイヤホン・こだわりを持って作られたイヤホンほど、なるべく純正の付属品を使うべきだと思います。結局、イヤホンの開発にあたってリファレンスで使うのは、付属のイヤーピースです。音を作った人も、なるべくそのままで聞いてほしいはずです。また、イヤーピースを違うものに変えると、今回のようにまとまりのない音になる可能性があります。


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